歩いても歩いても、目にするのは木と雑草、陰に咲くわずかな花。そして死体ばかりだった。
「…数が多すぎるわ…。」
「エフェリアの所有地ではあるが…腕の紋章を見ろ。」
「え?」
「こいつの紋章…。いや、こいつだけじゃねーが…ハルアトスの兵だ。
どっちも混ざっちまってるんで放置なんだろ…多分。」
「…そんな…。」
ジアは目を開けたまま逝ってしまった兵士の瞳をそっと閉じた。
そして傷だらけの頬に触れる。
身体はもちろん冷たい。
それでもきっと数日前は血の通った、自分と変わらぬ人間だったのだ。
「…同じ…人間なのに。
家族だってきっといたのに…守りたいものがあったはず…なのに…。」
「ジア…。」
「にゃあ…。」
涙で声が震えるジアを心配するかのように、ミアはじっとジアを見つめた。
クロハも何を言えばいいのか分からずにいた。
「…死んでしまったら…敵も味方も関係ないでしょう?
みんな土に還るだけ…なのに…どうしてそんなことも分からないの…。」
「バカだからだ。ハルアトスもエフェリアも。
どっちも大バカ野郎しかいねーんだ。だから繰り返される…戦いは何度でも。」
「…ホントにバカよ…。」
「進もう。早く森を抜けねぇと、お前が参っちまう。」
「…行きましょう。」
クロハの言葉に頷いて足を進める。
進めるしか、ない。
「…数が多すぎるわ…。」
「エフェリアの所有地ではあるが…腕の紋章を見ろ。」
「え?」
「こいつの紋章…。いや、こいつだけじゃねーが…ハルアトスの兵だ。
どっちも混ざっちまってるんで放置なんだろ…多分。」
「…そんな…。」
ジアは目を開けたまま逝ってしまった兵士の瞳をそっと閉じた。
そして傷だらけの頬に触れる。
身体はもちろん冷たい。
それでもきっと数日前は血の通った、自分と変わらぬ人間だったのだ。
「…同じ…人間なのに。
家族だってきっといたのに…守りたいものがあったはず…なのに…。」
「ジア…。」
「にゃあ…。」
涙で声が震えるジアを心配するかのように、ミアはじっとジアを見つめた。
クロハも何を言えばいいのか分からずにいた。
「…死んでしまったら…敵も味方も関係ないでしょう?
みんな土に還るだけ…なのに…どうしてそんなことも分からないの…。」
「バカだからだ。ハルアトスもエフェリアも。
どっちも大バカ野郎しかいねーんだ。だから繰り返される…戦いは何度でも。」
「…ホントにバカよ…。」
「進もう。早く森を抜けねぇと、お前が参っちまう。」
「…行きましょう。」
クロハの言葉に頷いて足を進める。
進めるしか、ない。



