「好きな人…会えない…なんて…っ…。」


待っていた。シュリは100年以上もの間、ただ一人だけを待っていた。
待っていたはずの人が自分を攻撃しに来たのだとしたら…?
シュリがどれほど大きな絶望を味わったのか、リアリティのある感情として想像することはできない。
勝手に想像して勝手に苦しくなる。
『もし自分が…同じ立場に立ったら』…あたしはどう思うのだろう?


「それがジアにとっては苦しいんだね?」

「ち…違うの。」

「違う?」


一つ一つ、言葉を確かめるように表情を確かめながらキースは話し掛けてくれる。


「あたしがどうのこうのとか…そういう話じゃない…。あたしが苦しいんじゃない…。シュリが…。」

「シュリ様?」

「…ごめん。これを今キースに言っていいのか…あたし分かんない…。」

「じゃあ言わなくていい。言わなくていいよ、ジア。」


言い聞かせるように、なだめるように優しく呟くキース。
キースの手は軽くジアの頭の上に乗っている。


「あんなに切なそうなシュリ…初めて見たの…。」

「そっか。」

「ねぇ…キース…。」

「なに?」

「会えないの…辛い…よね?」


その質問にキースが一瞬驚き、そして切ない表情をしたことにあたしは気付かなかった。