ハルアトスの姫君―君の始まり―

「シャリアス…。」

「なに?」


繋がったまま抱き合い、唇にキスを落としてくるシャリアス。
さっきから会話になどなりはしない。
シャリアスは執拗にシュリの唇に自分のそれを押しつける。


「…私はお前の帰りを待ち続ける。この村で。」


キスが止んだ。
シャリアスはシュリの肩を抱き寄せ、シュリの頭を撫で始めた。


「戦いはいつか終わる。終わってすぐ戻らなかったら…。」

「それでも待つ。」

「それじゃシュリは幸せに…。」

「私の幸せは私が決める。お前が帰るのをこの場所で待つ。」


―――だから必ず帰ってこい、などとは言えるはずもなかった。
自分の意志ではどうにもできない約束はするものではない。


それをシャリアスも分かっているのだろう。
できない約束はしない。だからこそ帰る帰らないの話はここで終わりだった。


シャリアスは唇をシュリの頬に寄せた。
そっと口づけられたところが途端に熱を帯びる。
まだ身体は全体として熱を持ったままだ。それはシャリアスも同じようだった。


「今日は離さない。ずっと。」


言葉通り、そのまま二人は繋がり続けた。何度も、飽きるほどに。


「愛してる。君だけを…永遠に。」


時折そう苦しそうに呟くシャリアスに涙が出そうになった。