「僕にも召集状が来たよ。明日出発みたいだ。」
「嫌だ。」
それは何も考えずに口から出た言葉だった。
嫌なのはシャリアスも同じで、あえてシャリアスはそう言わなかったのを分かっていたはずなのに、考えるよりも先に心が反応していた。
「シュリ。」
優しい声はほとんど真上から降ってきた。
そのままそっと抱き寄せられる。
シャリアスの香りがシュリを包む。
その腕の中でシュリはゆっくりと目を閉じた。
「必ず帰ってくるだなんてそんな約束はしないよ。」
「…分かっている。」
「でも一つだけ約束する。」
「なんだ?」
シュリを抱きしめる腕に力が込められる。
ぐっと強く抱きしめられて、シュリは顔を上げられないでいた。
そしてシャリアスの言葉はシュリの頭上から降り注いだ。
「永遠に君を忘れない。」
その言葉に涙が出そうになるのを、ぐっと堪えた。
今泣くのは卑怯だ。
シャリアスが腕を緩めた。
視線がぶつかったと同時に重なったのは唇だった。



