席替えが始まり、女性5人はそのままで、男性5人が席を移動する。


横に腰を下ろしたのは彼。


赤くなる顔を見られたくなくて思わず俯いたけど、嬉しさで舞い上がりそう!



「俺、シュウ。名前覚えてる?」


「水原……シュウさんですよね」


「おっ、名字まで覚えてくれてたんだ」



そういって嬉しそうな彼の笑顔に、何度心臓が跳ね上がったか。


思ったより気さくな感じの彼は、つっかえつっかえ話す私にも笑みを絶やさなかった。



少しずつだけどお互いの話をして。


その空気が、とっても心地よくて。



いつの間にか、緊張感は溶けてなくなっていたんだ。