「それ、着れば??」
「…え??」
「その生地、厚めだから風邪ひきにくいだろ」
「あ、ありがと…」
色、青だ。
これなら多分透けない…。
「晃ちん優しーいっ♪俺、惚れ直しちゃうっ♪♪♪」
「俊介、リアルにキモい」
「風邪ひきにくいって…相当この間の試合で、円の事、見直したんだな」
「……うるさい。」
晃汰…。
「じゃあ、今度こそ着替えて来るね!!」
あたしは、晃汰が貸してくれた練習着を持って、トイレへ向かう。
「それなら、透けねぇだろ??」
……え????
びっくりして晃汰の方を見ると、優しい笑顔があった。
「き、気付いてたんだ…」
小声で会話するあたしたち。
「まぁな。お前の色気のねぇ体見せられても困るし」
「なっ…!!!!」
超失礼!!!!!!
「円ー??着替えねぇのー??」
「きっ、着替える!!!!」
トイレでごそごそと着替えるあたし。
この時間、いろいろ考え事しちゃうんだよなぁ…。
“これなら透けねぇだろ??”
理由はどうあれ、透けないようにって貸してくれた練習着。