俊介は一瞬ムッとして、だけど満面の笑みを浮かべた。


ーピーッ

後半が始まり、今度はより攻撃型になったあたしたち。


出来るだけボールを前へ。

出来るだけシュートを多く。

出来るだけボールをキープ。


泥試合でも何でもいい。


だけど勝ち上がってきたからこそ、それはなかなか簡単じゃなくて…。


「くっ…」

「大輔!!取られたら取り返せ!!!!」

「おう!!悪い!!」


相手はカウンターを得意としていて、ボールを奪ってからの動きは凄く速い。

大輔先輩もすぐ切り返して相手を追ったけど、なかなか追いつけなくて。


「「っ!!!!」」

そんな時、相手の前に立ちはだかったのは飛鳥だった。


…やばい!!


何とかしなきゃって思ったけど、何が出来る??

…飛鳥が動いたのは、ほんの一瞬。


「皆動揺すんな!!俺なら動けます!!!!」

飛鳥がそう言った時にはもう、相手の足元にあったボールは消えていた。


飛鳥…凄い。


「飛鳥サンキューな!!!!よし、皆攻めるぞ!!!!」

「「おう!!!!」」


怪我で辛いはずなのに、そんなの感じさせないプレーでピンチを救ってくれた飛鳥。

凄い凄ーい!!!!