学校に到着すると、校門前に、茜と日向と假屋崎が立っていた。


「お前たちも呼ばれたのか?」


怜央がそう聞くと、日向が答えた。


「そりゃそうや。〝生徒会召集〟やからな」


「神無月君を待っていたんですよ。神無月君で最後です」


「最後? 一年生だけが呼ばれたのか?」


「いいえ。
上級生たちは先に生徒会室に行きましたよ。
……といっても、半分以下の人数しか集まらなかったようですが。
こんな危険な任務をするくらいなら、生徒会を辞めてもいいと思ったのでしょう。
元々、生徒会に呼ばれるような生徒は、生徒会に入らずとも困らない家柄や能力を持った人達ばかりなんですよ。
それと、殺人なんて物騒な案件に我が子を関わらせたくない、という親御さんの意思も関係しているかもしれませんね」


「そっか……。お前らは辞めないのか?」


「俺は辞めないで。殺人事件の犯人を捜す、なんて名探偵みたいでワクワクするやん!」


日向はニカっと笑った。危険さえも楽しんでいる、そんな様子だった。


「僕はまだ、生徒会でやりたいことがあるので……」


假屋崎は、中指で眼鏡を押し上げた。