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何度思い出しても、父の言葉の意味が分からなかった。



休日だというのに、生徒会召集をかけられた怜央は、重たい足取りで一人学校へ向かっていた。


……ヴァンパイアを越えた、全種族の頂点に立つ男。


一体どういう意味だろう。


ヴァンパイアなのか、そうではないのか。


それすらも曖昧で、上手くはぐらかされた気がした。


あのあと読んだヴラドの著書によると、〝魔界〟という場所には様々な種族がいるという。


魔界に住む種族たちは、不思議な能力がやどっており、個々の能力によって力の度合いも扱う魔力も異なる。


彼らは〝魔物〟と呼ばれ、姿形も実に様々で、その魔物と呼ばれている種族の中にヴァンパイアも含まれているらしい。


ということは俺が人間じゃなくなった時、人間の姿ではいられなくなる可能性もあるのか。


怜央は、自分が醜い化け物に変貌してしまう様を想像して、身の毛がよだった。