「これはどういうことや?」


日向の問いに、孔雀の羽のような扇子で赤銀を煽いでいた生徒会長の藤崎が口を開いた。

「前回の集まりの時に赤銀先生がこの部屋を地味だとおっしゃったもので、早急に工事させましたの」


「でも事件があって学校には入れなくなっていたはずじゃ……」


假屋崎が口を挟むと、藤崎は何を当たり前のことを言わせるんだという顔をした。


「殺人事件が起ころうと、天災が起ころうと関係ありませんわ。

赤銀先生が地味だとおっしゃったから直したまでのこと」


皆が呆気にとられて、藤崎と赤銀を見つめた。


藤崎はまるで王様に仕える娼婦のように、色目を使いながら赤銀に献身的に仕えていた。


赤銀は豪華な肘掛にもたれ掛りながら、怜央を一点に見詰めていた。