―――数日後、


ようやく学校に行けるようになったが、授業は午前中だけで終わった。


生徒たちの喋ることと言えば殺人事件のことばかりで、地に足がつかない浮足立った状態だった。


心配する親たちに付き添われ高級車に乗って帰っていく生徒達を、怜央は廊下の窓から眺めていた。


「怜央ちゃん」


茜に呼ばれて振り返る。


すると茜の隣には、満面の笑顔の日向と眼鏡を中指で押し上げている假屋崎も立っていた。


「早く行かんと遅刻するぞ」


日向が怜央の肩に腕をまわした。


「気安く触るなよ」


「ええだろ、俺と怜央の仲やもん」


「どんな仲だよ」


「ええからええから」