ヴァンパイア王子~覚醒のblood~

そこからどんどんキルリアの力が押していく。


押されるに従って、踏ん張っていたバドの足が後ろに下がっていく。


「くっ……」


いつでも顔の表情を崩さず冷静沈着なバドの顔が歪んだ。


片目を瞑り、眉を寄せ、キルリアの圧倒的な力に必死で耐えている。


「バド!」


レオは起き上がろうと必死で腕に力を込めていたが、起き上がる体力すらない。


その時だった。


蒼い光が横から現れ、バドの魔力を支えるように衝突する二つの魔力に加わった。


蒼い光が加わったことで、押されていた魔力が再び拮抗した。


「嘘……だろ?」


レオは蒼い光を放つ人物を見て、ポロリと言葉を零した。