ヴァンパイア王子~覚醒のblood~

キルリアは右手を斜めにさっと動かした。


するとその手には立派な剣が握られていた。


「遊びは終わりだ」


キルリアは冷たく言い放つと、レオの前で剣を振りかざした。


……終わった。


レオの頭に剣が振り落とされる。


それはスローモーションのようにゆっくりに見えたが、レオは動くことができなかった。


(茜……)


レオの最期の一瞬に浮かんだのは、幼い時からずっと一緒に育ち、ずっと想いを寄せていた茜の笑顔だった。


(茜が無事に、目覚めたらいいな……)