ヴァンパイア王子~覚醒のblood~

「その身体で俺を倒せると思うのか!?」


キルリアの両手から赤色の光が、水流のようにレオに向かってきた。


レオも青紫色の光を放つ魔力をぶつける。


二つの魔力は真ん中でぶつかり合い、火花を散らしていた。


しかしキルリアの方の魔力がどんどん大きくなっていき、レオの魔力を吸い込むように追い込んでいく。


「……くっ!」


レオは最後の力を振り絞り、魔力を上に弾いた。


すると二人の魔力は、龍が絡まり天へと昇るように、天井を突き抜け空に消えていった。


「はあ…はあ……」


レオは床に倒れ込んだ。


もう指先一本動かすことができないほど疲弊していた。