ヴァンパイア王子~覚醒のblood~

それは一瞬の出来事だった。


コクーンたちに襲われてレオの姿が見えなくなった。


「レオ!!」


檻を怪力で開けていた日向が声を上げる。


コクーンたちはドームのように折り重なっていた。


時間が止まったように感じた。


真ん中から、ポウっと黄色い光が天井に向かって一本の棒のように上へ伸びた。


すると、その光を浴びたコクーンが消滅するように溶けていった。


コクーンたちの絶叫の中、みるみると光は広がり彼らを焼いていく。


そして、ドンっと一気に光が溢れ出し、コクーンたちによって形成された巨大なドームが消滅すると、レオが一人その場に残った。


「ほう」


キルリアは腕を組み、目を細めた。


余裕の表情は崩さない。