「女を殺されて気が狂ったか」


「茜は死んでない」


「……なに?」


キルリアの顔が明らかに変わった。


それもそのはずである。


キルリアは確実に致死量を吸い取った。


普通の人間があれだけの血を奪われて生きているはずがない。


しかし、レオの顔は嘘をついているような表情ではなかった。


本当に生きているならば……。


「血の儀式をしたのか?」


キルリアは半信半疑、疑うような目つきで聞いた。


あの状態で血の儀式をするなんて、正気の沙汰とは思えなかったからだ。
レオは黙った。


しかしそれは肯定しているのと同意味だった。


「……ははっ」


キルリアの口から渇いた笑いが自然に零れた。