「後ろにいる人間達を土産に魔界に帰るぞ。
もう人間界に用はない」


キルリアの言葉にコクーンたちがざわめいた。


「本当に帰るんですかい? 人間はよく売れますぜ」


「俺が王になればいくらでも狩り放題にしてやる。
今はその基盤を作る時期だ」


コクーン達から歓声が上がる。


「キルリア様なら確実に王になれる」


「勝ち船に乗るぞ!」


「どこまでもついていきますぜ」


キルリア!キルリア!キルリア!とどこからともなく声が上がり、皆がそれに合わせて合唱した。


キルリアはうるさそうな顔をしながらも、満更でもない笑みを口元に浮かべ、人間たちは絶望に泣き崩れた。