入学式から数日後、


謎の男はあれ以来現れず、怜央は普通の学校生活を送っていた。


学校生活にもようやく少し慣れてきて、クラスメイトの名前も大体覚えた頃、生徒会から召集された。


新入生の怜央にとって、それは初めての招集であり、噂に聞いていた生徒会の実情とメンバーを知れるまたとない機会だった。


一方、茜は入学式からよそよそしく、怜央が最初に危惧していた通り、


『怜央ちゃんは優秀な人間だから、この学校でも溶け込めるけど、あたしみたいな何のとりえもなくて中流家庭で生まれた人間は、どう過ごしていけばいいの?』


と思ってしまったようで、自ら壁を作っていた。