日向は叫ぶなりキルリアに向かって拳を振り上げた。


拳が落ちる瞬間、キルリアはひょいと空に舞い上がり拳をかわす。


キルリアがいた場所には長テーブルだけが残り、長テーブルに日向の拳が勢いよく降ろされ、テーブルは真っ二つに割れた。


余裕たっぷりに天井近くで浮遊するキルリアに、日向は椅子や収納棚をキルリアめがけて次々と投げつけていった。


キルリアはそれらをひょいひょいと空中で飛びながら上手くかわしていく。


「それなら、これならどうやっ!」


日向は自分の身長より大きな掃除道具入りロッカーを抱えると、勢いよく横投げした。


キルリアは投げつけなられたロッカーが自分の元へ飛んでくるのを見て、眉をしかめた。


この大きさでは避けられない。


キルリアは空に浮いたままロッカーに手をかざすと、紅くなった瞳がカッと見開いた。


その途端、大きな爆発音と共にロッカーが粉々に砕け散った。


ロッカーの残骸が日向の上に降ってきたが、あまりにも粉々となったので砂が降ってきた程度にしか感じなかった。


「怪力自慢のコクーンが。この程度で俺が倒せると思ったのか」


キルリアはゆっくりと空中から降りてきて、床に降り立った。