「ほう、お前はあの時の……。
死んだと思っていたがコクーンになっていたとは」


「ヘタレ男の仮面被って、よくも俺らを騙しとったな」


「騙していたわけではない。言わなかっただけだ。
気が付かないお前たちが間抜けなのだ」


「なんやと!? 
赤銀使って邪魔者は魔界へ追いやって、自分はのうのうと人間界でボロ儲けだ? どんだけ卑怯者やねん!」


「使える者は使う。それの何が悪い。
それに赤銀の行動は俺の指示ではない。赤銀が自ら考え、やらかしたヘマだ。
俺は身の程も知らず神になりたいなどど夢を語る赤銀に、ほんの少しの入れ知恵と人間界へ降り立つ手助けをしてあげただけだ」


「自分の手は汚さずにか」


「俺が動く時。それは魔界を支配する時だ」


「赤銀と変わらんやないか」


するとキルリアは意味ありげに笑った。


挑発にすら笑えるほどの自信があるらしい。


キルリアの笑みは人を小馬鹿にしているようで、日向の癪に障った。


「仲間やと思っとったのに。お前は絶対許さへん!」