「そろそろ殺すか。

ラシードやバド・ツェリスが人間界にいては面倒だと思って手を出さなかったが、どうやらあいつら二人だけらしい。

随分と間抜けだが、好都合だ。
ラシードたちが動く前に奴らを処分することにしよう」


「しかし、王子を殺しては魔界全土を敵に回すことになりますぞ」


「そろそろ頃合いだと思っていた。
檻の中に放り込んでおいた人間共を売れば、必要としていた金も揃うしな」


それを聞いていた魔物たちが騒ぎ始めた。


「もう終わりですかい!?もっと人間を攫って稼ぎましょうぜ」


「そうだそうだ! 邪魔な王子を殺して、もう一儲けだ!」


次々と声が飛び交う。