怜央の父親はヴラドといい、ルーマニア人と日本人のハーフで、その息子である怜央もルーマニアの血が流れているのか、瞳が青紫色だった。


それだけでも小さい頃はからかわれる対象だったのに、父親の仕事が「ヴァンパイア研究」なんてわけの分からない仕事内容だったので、怜央はバカにされることを恐れ、父親の仕事内容をずっと隠していたのだった。



子供の気も知らずに、ヴラドは持ち前の容姿端麗さを生かしモデルの仕事も始めて、その宣伝効果もあり本がベストセラーになったことで皆に知れ渡ることになってしまったのだ。



怜央が危惧していた通りに、本が売れれば売れる程、同級生や先輩達からからかわれ、気にしていないふりをしつつも小さな胸は傷付いていた。



何でも人より出来てしまうので、周りは怜央を畏怖するようになり、誰も怜央と必要以上に仲良くなろうとしないので、怜央も他人を見下すようになっていった。



完璧に見える怜央だったが、常に孤独を抱えていた。