「そっか、良かった……」


「じゃあ、もう家だからここで」


「なんだよ、家の前まで送るよ」


「あたしの家まで来たら怜央ちゃん遠回りになっちゃうでしょ。 ここで大丈夫!」


「そっか。じゃあ気をつけて帰れよ」


「うん! また明日!」


「おう」


軽く手を振ると、茜は満面の笑顔で角を曲がって走っていった。



「おい転ぶなよ~」


「もう子供じゃないんだから大丈夫!」


怜央は茜の姿が見えなくなるまで、ずっと後ろ姿を見続けていた。


茜の笑顔が不自然に明るすぎることに気付かないまま……。