「お~怖っ!
酷い男やで。俺のことのら犬扱いするしやな」


「こんな大きい犬離し飼いにしてたらまずいだろ!
日向だって人間だったんだから分かるだろ?」


「犬やない! 狼やっ!」


「狼の方がまずいだろ!」


二人は周りに人がいないことをいいことに、ギャイギャイ言い合いながら来た道を戻って行った。


お互い言い合うだけ言い合い、すっきりするとレオが突然暗い表情になった。


「……これからも茜と一緒に登下校して見守っててくれよ」


「それはええけど。
レオも一緒に行ったらええやん」


「俺はダメだ」


「なんでや」


「一緒にいると茜の強烈な匂いにやられて襲いそうになる。
今だって理性を保つのに必死だった」