それはどういうことなのかと口を開こうとした瞬間、世界が反転した。


ぐるぐると渦のように回り、茜は無理やり白い世界から追い出された。


目を開けると、いつもの天井。茜の部屋だ。


茜は夢の中で起こった不思議な現象に軽く眩暈が起き、頭を抱えた。


しかしすぐに夢の中の記憶は、消え失せていく。


やけにリアルな夢だった。


そんな感覚だけが残り、夢の中で男が発した言葉を忘れてしまっていた。