「いやいや、西山さんのせいじゃないよ。
それに眼鏡がなくても別にもう困らないんだ」


「え?」


「元から視力が悪かったわけじゃないんだ」


「じゃあどうして?」


假屋崎はその質問に答えにくそうに苦笑した。


「なるべく目立ちたくなかったからね。
でも、もうそんなことを気にする必要はない」


理由はよく分からなかったけれど、答えにくそうな表情を見て茜はそれ以上突っ込まなかった。


「視力が悪いんじゃないなら、眼鏡かけない方がずっといいよ!」


「そう?」


「うん! ない方がずっとかっこいい!」


思わずかっこいいと口にしてしまって、茜は顔を赤らめた。


その言葉に、假屋崎も驚いたように目を見開き、そしてゆっくりと微笑んだ。


「西山さんがそう言うなら、もう眼鏡をかけるの止めようかな」


眼鏡をかけていない假屋崎の笑顔は、ドキリとするくらいかっこよかった。