「……分かった。
しかし、この問題を解決したら必ず魔界に帰ってくることが条件だ」


「いいよ、約束する。
假屋崎を倒したら魔界に帰ってくる。
人間界のことは綺麗さっぱり忘れる」


その言葉に日向は心配そうにレオを見つめた。


レオが茜を好きなことは日向も分かっていた。


そして、人間界に行きたい理由が、假屋崎から茜を守ることだということも。


「よし。では、いつ人間界に行く?」


「今すぐに」


レオは真っ直ぐにヴラドの瞳を見つめた。


ヴラドはため息を一つ吐くと、大きな水槽を指差した。


「ここに入れ。人間界と繋がっている」


レオはゴクリと喉を鳴らして水面を見つめた。


大きな水槽は井戸のように深い地中に繋がっているようだった。


「レオ」


底が見えない水の中を見ていると、ヴラドが後ろからレオに声を掛けた。


レオは後ろを振り向いた。