帰りは行きの倍のスピードで森を駆け抜けた。


日向はたらふく食べて気力も体力も復活していた。


もしかしたら行きよりも力が漲っているかもしれない。


しかしそれらよりも更に大きな理由として、レオと日向の息がぴったり合うようになっていた。


レオは上体を屈め、手綱も何もない日向の背に危うげなく跨り、日向のもふもふとした毛をほんの少し握るだけで乗りこなしていた。


生来の運動神経の良さだけでは説明がつかないほど、レオは見事に乗りこなし、日向はレオと身体が一つになったかのように軽やかに森を駆け抜けていた。


そうして一時間半ほど走ったところで、二名の衛兵が両開きの大きな鋳物門扉前に立っているが見えた。


恐らくここが王宮門なのだろう。


レオは日向の背から降りると、門番に近付いていった。


門番はレオと日向が近付いてくるのに気が付くと、長い槍をクロスさせ警戒心を露わにした。


「お前は誰だ?」


門番がレオに尋ねる。