「……色々と。
話すと長くなりますが、よろしいですか?」


レオはバドの眼が鋭くなったことに一瞬たじろいだ。


「いや、今はいい。
今は聞かないといけないことがあるからな」


バドは安心したように微笑むと「承知致しました」と頭を下げた。


話したくないことなのかもしれない。


バドの変化に、レオはそう感じた。


親父と母さんの過去は、どうやら波乱万丈だったらしいな。


人間界にいた頃は、平和ボケしているバカ夫婦にしか見えなかったが。


レオは心の中でそう呟くと、その両親と対峙するため呼び鈴を鳴らした。