「叔父といっても、王様に謁見するわけですから、こちらの衣装に着替えてください」


そう言ってバドが差し出したのは、騎士が着るような衣装だった。


胸には赤い紋章が貼られ、腰下まで届く長い上着にはマントがつけられている。


ぴったりとした黒いズボンの上にロングブーツを合わせ、羽がついているつばの大きなテンガロンハットを被るようだ。


それら衣装を見たレオは、怒りで肩がわなわなと震えた。


「俺にコスプレしろっていうのかっ!」


「コスプレ? なんですかそれは。
これは正装です。
力を誇示する正装に王子が身に纏えば、王子の存在を力強き者として皆に威圧する効果がございます。

まあ、そちらの衣装が気に入らないのであれば、王子らしくこちらの衣装でも構わないのですが」


バドは残念そうに騎士衣装を下げると、代わりに赤と黒の縦縞が入った派手な王子衣装を出した。


腕の部分と腰の部分がかぼちゃパンツのように膨らんでいて、その下に白いタイツをはくようだ。


レオは絶句した。