「血の儀式とか、狼人間とか、もう俺の想像力の限界を超えてるんだが……」


「無理もありません。
これから徐々に知っていけばいいのです」


「魔界って結構おもろいで!」


レオは能天気な日向を睨み付けた。


死にかけて狼人間になってしまったというのに、この陽気さ。


レオは魔界に来て途方に暮れているというのに、この違いは何なのだろうと思った。


「今はゆっくりとお体をお休みください。
一か月も眠り続けていたのですから、突然動いてはお体に触ります」


「一か月!? 俺は一か月も眠り続けていたのか!?」


「ええ。ですが一か月など魔界の世界ではわずかな時間でしかありません。我々の寿命は約一千年ですから」


「一千年!?」