「俺は毎日、何も知らずに人間の血が入ったジュースを飲まされていたわけか」


「ほんの数滴でございます。その他はトマトジュースとたいして変わりありません」


「ここはどこなんだ。俺は確か学校にいたはずじゃ……」


「ここは魔界でございます」


「魔界!? どうしてそんな所に!」


「レオ様が覚醒いたしましたので、人間界にいる理由はなくなりました。
ヴラド様とシャオン様も先ほど魔界にお戻りになりました」


「なっ……! どういうことだ!? 
俺はもう人間界には戻れないのか!?」


「戻る必要がございませんから」


「でも、茜が……。そうだ! 
茜はどうなったんだ!? 赤銀は!?」


「あの男ならレオ様が倒したではありませんか」


「俺が?」


「はい。体の一部も残さないほど燃やし尽くしました。
実に見事な戦いぶりでした。
さすがでございます」


「全然……覚えてない」