ヴァンパイア王子~覚醒のblood~

赤銀の黒マントが風で大きくなびいた。

巨大な黒い塊のようだった。


炎は竜となり竜巻を飲み込んだ。


竜巻を飲み込んだ巨大な竜は、勢力を増しレオを取り囲んだ。


「くっ!」


レオは炎に囲まれ、身動きが取れなくなった。


焼けつくような暑さがレオを襲う。


「そこで見ているがいい。すぐに終わる」


赤銀は茜の方を振り返った。


「や……怜央ちゃん!」


「茜っ! 止めろ! 茜に近付くな!」


「耳に心地いい断末魔だ。
さあ、子猫ちゃん。私の力の一部となるがいい」


赤銀の手が茜の肩を掴み、赤銀は口を開いた。


月の明かりが、赤銀の長い八重歯を光らせる。


「止めろーーーーーー!」