「ああ、なんて美味しそうな匂いなんだ。
この血を吸えば、私の力も増すだろう」


(……このままじゃ、本当に茜が殺されてしまう!) 


怜央は血液が逆流するほど怒りに満ちていた。


そして、ぎりぎりの所で押さえつけていたネジを自分の意思で引き抜いた。


すると学校の窓が揺れ始めた。


怜央の髪の毛が逆立ち、眼の色が紅く染まった。


風が怜央に引き寄せられるように集まり、空へ上がっていく。


「な、なんや!?」


「ほう、覚醒したか」


赤銀が茜を目線から外し、後ろを振り返って覚醒したレオを見た。