赤銀は鎖で繋がれた茜に近付いた。


月夜の明かりが赤銀を不気味に照らす。


「や……嫌……。来ないで」


茜は尻餅をつきながら後ろに下がろうとするが足枷が邪魔して動けない。


赤銀は邪悪な眼で茜を見下ろす。


「おやおや、子猫ちゃん。
あまり暴れると痛い思いをするよ。

大丈夫。
ヴァンパイアに生き血を吸われた者は最高の快楽を味わって死ぬ。
私に生き血を吸われるなんて幸福だと思わないか?」


ふるふると首を振り、震えている茜の首筋に、赤銀の細長い指が触れる。


「茜に触るなっ!」


怜央が叫ぶ。


しかし赤銀は聞く耳を持とうとしない。