「……来るなって言われても、もう着いてしもたやん」


日向が校庭に現れた。一拍遅れて、假屋崎も到着した。


假屋崎はよほど疲れたのか、ぜえぜえと息が上がっていた。


「茜ちゃんに、怜央に……。どうしたんや、その恰好。
ハッ! まさか二人が生贄?」


日向の言葉に赤銀が優雅に椅子から立ち上がった。


「ご名答。さあ、楽しいショーの始まりだ」


黒いマントを大きく風になびかせた。


長い八重歯が暗闇の中できらりと光る。