「感動の再会か……。
笑えるねぇ。魔界の王子が人間の女に恋? 
馬鹿な父親の血を引いたな」


「魔界の王子?」


怜央が眉根を寄せて聞き返すと、赤銀はわざとらしく驚いてみせたふりをして、次いで大きな声で笑った。


「なんと! まだ自分の血筋を知らないのか。
俺があれだけヒントを言ってやったのに、お前の両親は何も教えてくれなかったのか?」


「お前には関係ないだろ」


「関係なくないんだ。俺にはお前の血が必要だからな」


「どういうことだ?」


赤銀はマントを翻すと、また突然現れた椅子に腰をかけた。


「いいだろう。
まだ儀式まで時間がある。
たっぷり全てを教えてやろう。



冥土の土産にな」