慌てて茜が怜央の後を追いかけると、怜央は突然誰かの視線を感じて立ち止まった。
「怜央ちゃん?」
茜が心配そうに怜央の顔を覗き込む。
(なんだこのかんじは……。禍々(まがまが)しい、もの凄く大きな気……)
気配を感じる先に目をやると、細い路地裏からこちらを見ている一人の男と目が合った。
その男は、住宅街には不釣り合いな黒い燕尾服に身を包み、礼儀正しく背筋を伸ばしていた。
細い銀縁の眼鏡の奥からは、オリーブ色の双眸が光って見えた。
怜央と目が合うと、固く閉じた唇を不気味にニコリと微笑むと、軽く一礼してスッと暗闇に消えた。
(消えた!?)
「怜央ちゃん?」
茜が心配そうに怜央の顔を覗き込む。
(なんだこのかんじは……。禍々(まがまが)しい、もの凄く大きな気……)
気配を感じる先に目をやると、細い路地裏からこちらを見ている一人の男と目が合った。
その男は、住宅街には不釣り合いな黒い燕尾服に身を包み、礼儀正しく背筋を伸ばしていた。
細い銀縁の眼鏡の奥からは、オリーブ色の双眸が光って見えた。
怜央と目が合うと、固く閉じた唇を不気味にニコリと微笑むと、軽く一礼してスッと暗闇に消えた。
(消えた!?)