「これ……」
「俺からのプレゼントだ。後で宗司と和美ちゃんと……康子さんが来たら皆で食おう」
「え? じゃあ父さん」
「詳しい事は後でちゃんと話す。今日はお前の誕生日だから来てくれるだけだ」
「なによもう。いい加減ちゃんとヨリ戻してよ」
「色々あるんだよ」
そう言いつつも親父の口元は緩んでいる。
それは多分、二人の間は少なくとも前よりは好転してると言うことで、あたしも嬉しくて笑い出してしまう。
「いつ食べるの? 夜?」
「ああ」
「すっごい楽しみ。やっぱり父さんのケーキは凄いよね。見てるだけで幸せになる」
「はは。そうか?」
ご機嫌になって鼻歌を歌いだす親父。
ちょろいな。
まあ、おだてるだけのつもりで言った訳じゃないけど。



