「今日はおごってやる。試験だったんだろ?」
「ハイ。あ、聞いてました? 詩子さんから」
「う、ま、まあな」
嘘つけ。
あたしがいつ話したよ。
昨日のあたしと宗司さんの話、立ち聞きしてたんだな。
もう腹立つ!
後でとっちめてやるわ。
「……どうなの?」
ポツリと親父が一言。
宗司さんは困ったように頭をかく。
「どれに対して聞いてますか?」
「とりあえず試験の結果」
「結果が出るのは七月下旬なんですけど。とりあえず、専門試験は大丈夫だと思います。教養試験も多分……。以前もあのくらいで合格してるので」
「ふうん」
親父は顎をさすりながら唸る。
あたしは脇で聞きながら、とりあえずホッとしていた。
じゃあやっぱり、問題は二次試験ってやつなのね?



