ショコラ~恋なんてあり得ない~



 それからも日々は容赦なく過ぎていく。

今日は教員採用試験の一次試験の日だ。
あたしも朝から落ち着かずに過ごし、自分の勤務時間が終わった後も店から離れられずにいた。

やがて、緊張した面持ちの宗司さんが、店に入ってくる。


「いらっしゃいませ! 宗司さん、……どうだった?」

「はぁ。詩子さん、こんにちは」

「だ、ダメ?」


その弱気な態度に心臓が激しくなる。


「いや、解けたとは思う。問題は大体わかったから大丈夫だよ?」

「何だ」


思わず息が吐き出た。
じゃあどうしてそんなに頼りない顔してるのよ!