感情そのままに笑って親父を見ると、あっちもホッとしたように笑う。
こういう顔を見ると意地悪したくなってくるのは何故なんだろう。
「でも、いざとなったらあたしは自分の幸せをとるわよ」
「何ぃ?」
「当たり前でしょ。あたしは父さんより若いんだから。
父さんの為じゃなくて自分の為に生きる。
もし結婚とかして、転勤とかするようになったら、悪いけど店には残らないから」
「じゃあ、やっぱりマサと結婚しろ!」
「バカじゃないの。あたしの相手はマサなんかじゃないわよ!」
最後はいつもの言い合いみたいになって。
でも、何だか良い気分のままで家に辿りついた。



