「いてーって! 可愛い顔して恐ろしい女だな」
「分かったら、さっさと行きなさいよ」
手を離してパンパンと払う。
それを、あっけにとられたような表情で宗司さんと他にもう二人の男の人が見ている。
男の子は恥ずかしそうに走って行って、後に残されたのはあたしは気まずくって俯く。
宗司さんが「知り合いなんです」と言って二人の男の人に頭を下げると、彼らはニヤニヤしながら塾の方へ戻って行った。
近付いてくる宗司さんを見ていると、なんでか怒ったような顔してる。
「……宗司さん」
校則違反を見つかった生徒のような気分。
逃げたいけど逃げ場がない。



