四人は座れる広いテーブルに通してもらって。
「今日の一番客だから」って店長さんが、普通のお通しの他に枝豆まで出してくれた。
あたしと和美ちゃんは顔を見合わせて、「ついてるね」なんて言いながら、あたしはビールを、和美ちゃんはカンパリオレンジを頼んで乾杯した。
「で、なんでケンカしたの?」
「ホントにケンカってほどじゃないんですよ。
昨日、大学の飲み会だったんです。
それで、遅くなると男の子たちがそれぞれ女の子を家まで送ってくれるんですよ。
でも別に変な気がある訳じゃなくって、ホントに暗いと危ないから、なんですけど。
で、一緒に帰って来たところを、待っててくれたマサさんと鉢合わせしちゃったんですよね」
「あらら」
「約束してた訳じゃなかったから。まさか待っててくれたなんて思わなくて。
ちゃんと説明したんですけど、不機嫌なまま帰っちゃったから気になって。
それで今日、お店に行ったんです」
なるほど。
マサも家の前で待つくらいなら、連絡とって迎えに行けばいいのよ。
詰めの甘い男ね。



