「分かったわよ」
渋々そう言うと、マサはホッとしたように顔を上げる。
「よし! 行っていいぞ」
「アンタに指図されなくたっていくわよ!」
そんな感じで店を出て、駅前までをひた走る。
マサのあんな態度はウザイと思うけど。
羨ましいという思いもある。
心配されてるんだもん。
あたしなんて宗司さんに放っておかれてる。
八月まで待てだなんて長すぎるわよ。
その間にあたしが他の誰かに告られたらどうするの。
……そんな相手なんか居ないけど。
そして居たとしてもなびいたりはしないけどさ。
でも羨ましい。
あたしも早く、恋人同士になりたい。



