彼は悔しそうにあたしを睨んだ後、一度厨房に戻ってウェハースを一つ取ってきた。
そして、和美ちゃんの目の前のフラッペに一つ差し込む。
「おまけ。あの。……俺、別に怒ってないからな」
「うん。分かってる。昨日ごめんなさい」
良く分からないけど、仲直りはしたのかな。
流石ラブラブな二人は復活も早いわね。
だったらあたしに付き合わせるのも悪いかしら。
まあでも、マサの仕事終わる時間までならいいか。
誰かに宗司さんの愚痴を話したかったとこだもの。
「じゃあ、和美ちゃん。五時半に駅前で待ち合わせしよ?」
「はい」
「マサは仕事終わったら迎えに来なさいよ」
「分かってるよ」
少し頬を赤くしたまま、居心地悪そうにマサが厨房へ逃げていく。



