「誤解しないで。マサは従業員で仲は良いけどそれだけ。
マサが彼女と仲良くしてるのもホントにいい事だって思ってる。
同情みたいな眼差しで見られるのイヤよ」
「そうなの? だって」
だって何よ。
「寂しそうな顔で二人がデートしてるの見てたじゃない」
「あれば、恋人同士っていいなって思っていただけよ。良いでしょ、あたしだって年頃なんだから、憧れくらい抱いたって」
「ダメなんて言ってないよ! 何だそっか。良かった」
ニコニコになる宗司さん。
ああもう、その顔に期待してもいいのかな。
あたしの事好き?
ねぇ、教えて。
もう外は夏の日差し。じりじりと汗が湧きでてくる。
それでも、時折り木陰を通り過ぎる風は涼しく、火照った体を冷やしてくれる。
その風に後押しされるような気持ちで、思い切って言った。



