そう思って近くの団地の公園までやってきた。
遊具の周りには、まだ幼稚園にも行かない小さい子たちとその母親らしき女の人が一杯。
あたしとそれほど歳の変わら無さそうな人でも子供が居るのね、なんて思うと、見た目の割には恋愛下手な自分が情けなくなる。
「詩子さん、お店いいの?」
「ちょっと買い物に出てきたの」
フェンスの近くにある木陰まで彼を引っ張ってくる。
「あ、あのね」
「うん」
頬が熱い。
何だろうこれ。
喉が震えてるのかな、声も変じゃない?
「ありがとう。今日来てくれて」
「ううん。おいしいもの食べさせてもらって、嬉しかったよ?」
「とりあえず、宗司さんの誤解を解きたいの」
「誤解?」
「そう。あたし、別にマサの事なんて何とも思ってないから」
「え?」
呆けたような宗司さん。
その顔はどっち?
安心したの? それとも、何だよそれ? って感じ。



