ショコラ~恋なんてあり得ない~



「宗司さん?」

「詩子さん、これ美味しい!
よくお店でコーヒーフロートとか売ってるけど、そんな感じ。
店で食べるかき氷にはコーヒー味ってないなって思ってたんだよね!」

「そう? 良かった」


口元にミルクゼリーがくっついちゃってる。

なんでこうしまらないのかな、宗司さんは。


だけどとてもおいしそうに食べてくれるから、見ているだけで胸が一杯になる。

作って良かったなぁって思わせてくれる食べっぷりは、ある意味武器にもなるわね。


「ごちそうさま」


満足気にスプーンを置く宗司さんを、思わず皆で見つめてしまっていた。
見られている事に気付いた彼は、わたわたと自分の周りを見始める。


「ここ」


口元のゼリーを指摘すると、赤くなってナプキンで拭いた。