だけどぎゅうぎゅう詰めと言うほどでもないし、痴漢の心配はなさそう。

雷がいつ鳴り出すのかわからないけど、いつもより早い電車に乗れたからバス一本遅らせても大丈夫かな……。

雄悟先生を待たせることもないだろう。



そう考えて、ドキリとした。

先生と昨日……キス、したんだ。



思い出さないようにしていた事実を不意に思い出して、心臓が脈を打つ。



その時は何されたのかよくわからなかったけど……。

私、多分嫌じゃなかった。



怒っているように見えた雄悟先生は怖かったけど、キスされた瞬間、恐怖なんてどこかに飛んで行ってしまった。



怖いと言うより、むしろ驚きでいっぱいで……嫌じゃ、なかった。

ドキドキした。不快感なんてなかった。



あのときから、雄悟先生のことを考えるとソワソワしちゃうし、ドキドキが止まらない……。



私、どうしちゃったんだろう。

こんなの、変だよ……。